第10章 海難その他の異常の事態が発生した場合の処置に関する事項
(異常事態が発生した場合の処置にあたっての基本的態度)
第46条
事故の処理にあたっては、次に掲げる基本的態度で臨むものとする。
(1)
人命の安全の確保を最優先とすること。
(2)
事態を楽観視せず常に最悪の事態を念頭におき措置を講ずること。
(3)
事故処理業務は、すべての業務に優先して実施すること。
(4)
船長の対応措置に関する判断を尊重すること。
(5)
陸上社員は、陸上でとりうるあらゆる措置を講ずること。
(異常事態が発生した際に船長のとるべき措置)
第47条
船長は、自船に事故その他異常事態(以下この章において「事故等」という。)が発生したときは、海事法令の定めに基づく措置、人命の安全の確保のための万全の措置、事故等の拡大防止のための措置及び旅客の不安を除去するための措置等必要な措置を講ずるとともに、事故処理基準、安全管理手引書及び船舶保安規程に定めるところにより、事故等の状況及び講じた措置を速やかに運航管理者に連絡しなければならない。この場合において第三者の助言又は援助を必要と認める時は併せて関係する海上保安官署等への連絡を行わなければならない。
2.
船長は、自船が重大かつ急迫の危険に陥った場合又は陥るおそれがある場合は、直ちに遭難通信(遭難信号)又は緊急通信を発しなければならない。
3.
船長は安全管理手引書、船舶保安規程及び安全管理規程に規程されていない事項や想定されていない事故等に対して船長自身が最良の方法で判断し実行しうる権限を有する。
(異常事態が発生した際に運航管理者のとるべき措置)
第48条
運航管理者は、船長からの連絡等によって事故等の発生を知ったときは、事故処理基準、安全管理手引書及び船舶保安規程に定めるところにより必要な措置を講じなければならない。
(経営トップ及び安全統括管理者のとるべき措置)
第49条
安全統括管理者は、運航管理者等からの連絡によって事故の発生を知ったときは、事故処理基準、安全管理手引書及び船舶保安規程に定めるところにより必要な措置をとるとともに、経営トップへ速報すること。
2.
経営トップ及び安全統括管理者は、事故状況、被害規模等を把握・分析し、適切に対応措置を講ずること。また、現場におけるリスクを明確にし、必要な対応措置を講ずること。
(関係官署への報告)
第50条
運航管理者は、事故等の発生を知ったときは、速やかに国土交通省、海上保安庁、九州運輸局、福岡海上保安部、博多税関支署、福岡入国管理局、福岡検疫所及び博多臨港警察署にその概要及び事故処理の状況を報告しなければならない。
(事故等の原因等の調査)
第51条
運航管理者は、事故等の原因及び処理の適否を調査し、事故等の再発の防止及び処理の改善を図るものとする。
(旅客名簿の備付け)
第52条
運航管理者は、非常事態等に迅速かつ的確に対応するため、本社及び釜山港ターミナル事務所において、旅客名簿を備え置くものとする。
(旅行業者等との連携)
第53条
運航管理者は、前条の対策の実施にあたって利用者保護の観点からの整合を図るため、旅行業者等との間で必要事項に関し緊密な連携を図るものとする。